これまでの10年間を振り返ると、「はやぶさ2プロジェクト」に教員と学生で参加したことが一番印象的です。 観測機器の開発、運用計画立案と実施、データ解析、それらに使用するソフトウエアの開発、データプロダクト作成、研究論文執筆まで行いました。教員だけでなく学生も先端的な国家プロジェクトに参加して世界第一級の成果を挙げました。学生がScience/Nature論文の共著に入ったということは破格のことだと思います。
また、2019年4月には、会津大学が、福島県内で初の文部科学省共同利用・共同研究拠点に認定され、月惑星探査アーカイブサイエンス拠点として活動しています。
これからの10年で本学では、以下の3つに取り組みます。
1つ目は、月惑星探査アーカイブサイエンス拠点における産学連携活動のさらなる発展です。ICT分野での共同研究・開発の深化、そして規模の拡大を図っていきます。
2つ目は、福島イノベーション・コースト構想と連携したロボティクスと宇宙の融合・発展です。福島製ロボットが月面で稼働している未来へ向け、産学連携で着実なステップアップを図っていきます。福島県は福島イノベーション・コースト構想に沿ってロボット産業や航空宇宙産業の集積が図られていますので、その出口の1つとして月面ロボット等宇宙開発への参入に光が当たることを期待しています。
3つ目は、会津大学内外と協力して宇宙ミッションに参加・貢献していきます。はやぶさ2のプロジェクトでは、県内企業がその高い技術力でリチウムイオンバッテリーや地球帰還カプセルのパラシュートなど主要部品の開発に貢献しました。私たち会津大学は、宇宙開発の分野でこれらの県内企業の技術力を今後も応援していきたいと考えています。